鞘割れ侍、鞘の修理をするの巻 其ノ壱

無外流の玉光を抜いた瞬間に、鞘が割れた。

もともと上向きに抜き上げるのが不慣れな上、相当変な角度で抜いてしまったのだろう。

鯉口が完全に割れて、鞘には栗形まで達する長い亀裂が入っている。

割れは2ヶ所。

ただ、幸いなことに、割れ目はぴったりと隙間なく合っており、間を埋める必要はなさそうだ。

以前に大阪剣友会の紫明さんに教わった方法を参考に、自前で修理することにした。

まず鞘に糸を巻く。

黒の綿糸を鞘に数回巻き付け、木工用ボンドを極めて薄く塗り、糸を固定する。

この巻き始めの出来が良くないと、その後の糸の巻き具合が乱れて美しくならない。

余談だが、裁縫袋の中の黒綿糸の芯に以下のような記載があった。

私の字ではないので、おそらく母の字だろう。

「1の1」というのは学校のクラスだろうから、小学校か中学校の時のものだろう。

さすがに小学1年生では家庭科の授業はないだろうから、中学校の時の品か。

懐かしい。

作業は続く。